Know-How ノウハウ

【読了】『キーエンス流性弱説経営』

2025.01.10

性弱説、という聞きなれないキーワードなので身構えてしまいましたが、中身はクリティカルシンキング。
ただし、すごいのはそれが風土として定着している、ということ。
正確に言うと、風土になるまで徹底して実施している(させている)とも言えます。

物事に対して徹底的に疑問を挟む。
「ほんまそれ?」
「っ誰が言ってるの?」
「それは事実?」
「他には?」
「もうちょっと」
というキーワードが日々飛び交っている様子が伝わってきます。

上手くいくはず。大丈夫だろう。
ではなく、
「きっと何か起きるから備えておこう」
という感じ。
仕事は人がやるものなので、間違いやミスが起きるだろう、という前提に常に立つこと。

そして正確に確実に進めるために、具体化(数値化)して、活動量や質についても「数字を積み上げていく」感じ。
「これくらいやれば大丈夫だろう」ではなく、「何をだれがいつどれだけやったら、どれだけの結果(数字)が積みあがるのか?」」可視化したうえでアクションを決めていく。

実はこの本読んでいて全く違和感なかったし、もっと言えば私の研修の中で手渡している事ばかりだったんです。
なんでか?
22年前に働いていたコンサル会社でいわれ続けていた事なんです。全部。
確実に成果を出すために、現状を疑う事。ほかに何かないか探すこと。そして数字を積み上げて確実に結果を出すこと。
これを徹底されていました。

ただね。

当時私、全くできなかったんです。
元々大雑把で楽天家なので、「なんとかなるやろ」が口癖で、精緻に目標設定したり行動計画を策定することは苦手でした。
そして上司に詰められる。
でも、やらないから「Do」で頑張る。結果が出ないから「Do」しまくる。そしてハードワーク・・・。
という悪循環でした。もちろん結果なんて出るはずもありません。

でも、そのあと人事の仕事をし始めて改めて気づかされました。
結果が出ないのには理由がある。その要素を排除し続けることで、当たり前に結果が出るようになる。
ということに気づき、上記を徹底的にやるようになったら、結果はそりゃあ出るし、仕事は楽になりました。

良く「忙しくて考える時間なんてないよ」という人は少なくありません。
でも、それは、しっかりと考えないから忙しくなってしまっているのです。
重要なことに時間を使うことが大事です。