【読了】『科学的人事の実践と進化』
2026.01.25

人事の世界は科学的な見地が遅れているそうです。
確かにそうかも。定量的なデータがとりにくい(本当はそうじゃないけど)とか、人事の仕事が属人的だったり、開かれていない事だったり、そもそも勘ピューターでできている感を持ってしまっている、とか、色々な理由があります。
マーケティングの世界ではとっくにデータによる意思決定がなされているし、そもそも必要なデータを常にとる仕組みができている。
でも、人事は常にデータを取るわけではなく、必要なタイミング、例えば、入社、離職、異動、教育、評価、昇進、のタイミングでデータを取りに行くから、結果データに連続性がない。
つまり、変化を追えないし、変化を予測できないという事態になっている。
本書の著者は人事DXを推進するコンサル会社の人なので、データありきであり、科学的に人事を変える、という切り口ありきで書いているので、読んでいてつらくなる人事パーソンは少なくないと思う。
また、「この規模じゃできない」と思われる人も多いと思います。
でも、本書の思考は見習った方が良い。それは待ちうがいない。
じゃないと、人事の人の脳みそ以上の人事施策が出来なくなるから、です。
そういえば昔コンサル会社にいた時に、「営業は科学だ」と言われたことがあります。
最初は違和感がものすごかったし、私も営業の事はあまり知らなかったので、活動量とモチベーションと気合で営業はするものだと思っていました。
でも実際は、相手の意思決定の階段をどう昇るのか?それを科学的に分析し、勝ち筋を見つけていくと、、恐ろしく成果が変わったことがありました。
私が人事時代、残念ながらDXとは程遠い状況でしたが、良かったのはRMS(リクルートマネジメントソリューションズ)さんと、ある時期からタッグを組んで人事施策に取り組んだことが結果としては、科学的な見地を人事の仕事にいれることに成功しました。(DXまではいってません)
新卒採用のSPI、中途採用のSPI、管理者適性検査のNMATのデータの活用は勿論、入社時の作文やエントリーシート。新卒への複数回にわたるフォロー面談。中途入社者へのフォロー面談。離職者への退職面談。これらの定性的な情報を常に取りに行っていたこと。
そしてそこに適性検査の分析を鑑みて、配置や異動に使えていたのは、なんちゃって科学的人事でした。今思えば。
でもそれらは別に私が始めたことじゃなく、多分当時の社長と人事部長とで打ち合わせをしているときnそんな話になって、面白そうだからやってみよう、みたいな事になったと記憶しています。
そう思うと、忙しい最中、自由に動かせてくれた社長や上司も、こんな課題感があったのだと思います。
私は長い人事人生の中で、科学的なアプローチは絶対に必要だと感じていて、それを導入してきました。
だって、人の事をどうジャッジするか?いくら客観的な物(情報や事例)を知りに行っても限界があるからだし、その事例や出来事をどう見るかはこっちの主観が入ってくるから。
そういった意味で今の人事DXはパルスサーベイやテキストマイニングなど、データをもとに意思決定の材料を集めてくれるは人事パーソンの仕事を効果的に進めてくれると思います。
ただ、絶対にぶれてはいけないのは、DXやら科学的見地をいれるのも、効率アップが目的ではない、ということ。
あくまで人事戦略は経営戦略を支えるためにある。
つまり、事業変革につながる人事戦略じゃないと意味がないし、そこにつながる意思決定をするための「ツール」でしかない、ということ。
じゃないと、効率アップして喜んで終わってしまうかもしれません。
難しいけど人事の人や経営者さんにはおすすめです。
