Know-How ノウハウ

絶対評価と相対評価_529

2025.06.03

おはようございます!
課長と組織を変える研修コーチ、学庵の森川です。

私は仕事柄お客様企業に人事評価制度を設計して提供することもありますが、どちらかというとその運用の支援に力をいれています。
というのも、100点満点の制度は設計できないし、それよりもどう活用するかで人材育成につながるかどうかが変わってくるからです。
なので、その運用支援の中で評価者である管理職の方やトップの方と話をすることが多いのですが、そのなかで結構出てくるのは、「絶対評価なのか相対評価なのか?」みたいな話です。

結論から言うと、人事評価についてはまずは絶対評価が重要です。特に業績評価ではなく、行動評価の場合。
というのも、そもそも評価の項目にはそれぞれ基準となる行動の期待値が示されています。
つまり、「良い仕事をし、お客様や周りに貢献するためにはこんな行動をこのように発揮してね。」というガイドラインがあります。
それが標準の期待値であり、5段階評価でいうと「3」に当たります。
なので、評価者が評価するときは部下の行動が総合的に見てその「3」を超えているのかどうか?で「4」にしたり「3」にしたり「2」にしたりするわけです。
つまり、基準ありきの絶対評価、という事です。

もしこれをっ相対評価でやってしまうとどうなるか?
「Aさんが3だったからこの人は4かな?」みたいなことになります。
勿論現実的にそのように思考が回ることは否定しません。でも、最終的にやはり「3」を基準にして評価しないといけない。
Aさんを基準にしてしまうと、毎回Aさんのパフォーマンスが変われば物差しも変わってしまうからです。
そして当然日々のマネジメントや部下育成も同様に行う必要があります。(だって他人と比較されるの、嫌だし)

ただ、その相対評価も使いようによってはいいよね、という面もあるんです。(こないだ気づきました!)

先日久しぶりにロードバイクでややロングライドに後輩と出かけました。
ややロング、と書いているのは距離を走ることよりも山を登ることが優先だったから。そう。所謂ヒルクライム、です。
私が住んでいる京都は盆地なので、登る山に困ることはありません。
ただ、勿論坂を登るのってきついんです。
勾配もきついし距離もまあまああります。なので、途中で心が折れかけるんです。

その時に考えている事って絶対評価と相対評価の両方をつかって、自分を保っているんです。
ロードバイクにはサイクルコンピューターという機械を付けていて、速度やケイデンス(回転数)は勿論、心拍数、走った距離と時間、ラップ、そして現在の標高と勾配(%)もリアルタイムに表示されています。

登っている時、自分の現在の標高を確認すると、あと何メートル登ればいいのか、が大体わかります。(その山、過去に上ったことがあるから)
これは絶対評価です。
その山の山頂の標高と現在地の差を定量的に把握し、「あともうちょと」と奮い立たせている。

でも、一方で山頂の標高を知らない山の時もあるんです。
その時どうしているか?
「きつい。きつい。まだ続くのか・・・?」とか思いつつ、
「でも、大丈夫。少し前に花脊登れたし、亀老山も登っているし、そんな俺がこの坂登れないはずがない。」と奮い立たせます。
つまり、過去きつかった坂を思い出し、それが登れたから今回も大丈夫、という話。
これは相対評価なんです。

つまり、絶対評価と相対評価を都合よく使い分けて、自分を奮い立たせているんです。
でも、それでいい。大事なことは「登りきること」だからです。

これ、仕事も一緒なんです。
仕事の評価は常に他人がするので、その期待値に対してどうなのか?が重要です。(絶対評価)
ですが、部下育成という側面でいうと、過去の仕事を振り返りできたことや、今の仕事に生かせることを言語化して力にしていくことも重要です。
大事なことは、部下が成長して良い仕事をして、周りに喜んでもらう事だから。

なので都合よく絶対評価と相対評価を使い分けるといいよね、と坂を登りながら考えていました。

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     「おもろく学び おもろく働く」
■株式会社学庵(manabi-an) 代表取締役 森川 宗貴
■ACC(国際コーチング連盟認定コーチ)
■CDA(Career Development Adviser)
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