Know-How ノウハウ

【読了】『神様の定食屋』

2025.05.24

定食屋を営む父と母が交通事故で他界。
元々店の手伝いをしていた妹が定食屋を切り盛りしようとしているところへ、IT企業で働いている兄も手伝うことに。
勿論そないに最初からうまくいかないし、何よりも両親がやっていたころの信頼残高は相当なもので、それで常連さんがついている。
でも、素人同然の二人だとその信頼にこたえることができなくなり、だんだんと常連さんも離れていきそう・・・。

というときの神頼み。
神社で神様にお願いしたら、その時に必要な人(故人)と引き合わせてくれ、2人に(特に兄に)必要なスキルを学ばせていく。

神様がいて、故人を兄に取りつかせて、というファンタジーはさておき、単にお客さんを呼ぶのではなく、兄に必要なスキルを身につけさせ、考え方に気づかせるあたりは心憎い。
何故なら兄が、妹が、この店が自律し、自走しないと商売が続かないから。
また、兄に取りついて復活する故人も、それはそれで現世でやることがある人を呼んでいるので、まあ、WIN-WINでもある。

SNSでデマが拡散されピンチの時に、新しく常連になってくれたお客さんが助けてくれたり、死んでいる両親が2人に取りついてピンチを脱するあたりは目頭が熱く成るシーン。

読んでいて思うのは、商売に近道はないし、基本を貫くしかない。
今できるベストを提供し続けること。

仕事の原則が詰まっているような本でした。